概要
JMS(Japan Mobility Show 2025)で見かけたとある透過ディスプレイ。
その詳細とメリデメ、制御方法等、詳しく掘り下げて考える会です。
JMSのレポートはこちら↓
https://irukanonedoko.com/japanmobilityshow2025-report
!お断り!
やっぱりEthernetだわってなってLEDビジョンの制御方法をこっちで考えてます。
https://irukanonedoko.com/consider_ledvision_control/
映像から見てみる
まずは会場で撮影した動画を見て考えていこう。
何といっても特徴的な完全透過。
と言っても、柱やLEDの光があるため完全な透明とは言えない。

通常のディスプレイより奥行きを強く感じる。
光っている箇所と光っていない箇所が背景の見えやすさで表現されるため、
より光っている箇所が目立ち奥行きを感じるのかもしれない。

機材ははっきり見えてしまうものの、空中に映像が表示されているように見えるため、
近未来的なインパクトがある。

反対に、ちゃんとした映像だと全体的に薄く見え、
また本来見せたくないだろう背景も映ってしまいノイズになっている。
表現的メリデメ
表現に対して感じたメリット・デメリット
【メリット】
- 背景透過のインパクトにより注目度が上がる
- 明暗による立体的な表現ができる
【デメリット】
- 黒が表現できない(黒 = LED offのため背景が映ってしまう)
- 背景が映り込むため映像全体にノイズが入る(背景 = 本来映像として見せる予定のない情報という意味のノイズ)
構造・制御方法


まず表面から。
LEDが並んでいるが、縦方向に間隔が空いている。
この間隔のおかげで透過が成り立っているよう。
小さめといってもディスプレイのLEDとして考えればかなり大き目なLED。

後ろから見るとこんな感じ。
40~50cm程度のブロックを1単位に、
複数のブロックを組み合わせて構成されているよう。
ここは通常の大型ビジョンと同様。

ディスプレイの後ろ側にはライトがあった。
ディスプレイ単体の光量は各LEDの間隔分下がってしまうため、
それを補うためのライトと思われる。

別のブースにも同様のディスプレイがあり、後ろ側に制御装置が見えた。
おそらくNovastar社のVX16sビデオコントローラと思われる。
https://www.novaprocessors.com/product-page/vx16

出力はメインがEthernet、モニター用でHDMIもサポート。
Ethernetでの大量LED制御と言えばArtnet。
すると考えられる制御方法は以下あたりだろう。
- Artnetを使用したDMX制御
→ ユニバース設定やデータ送信が大変そう? - Monitor出力のHDMIを利用
→ ディスプレイがHDMIに対応するのか?
コスト考察
特に調べたわけではないためあくまで想像になるが…
先ほどのサイズが大体 200cm * 600cm と仮定して 約250インチ。
大き目(60インチ程)のモニターでも10万円を超えることを考えると、
LEDビジョンで行った場合は数十万後半 ~ 百万円台までかかりそう。
対してこのディスプレイは大きさの割にLED密度が小さい。
各LED間15mm程度の隙間と考えると、大体42インチ相当に当たる。
そう考えると大きさはあるものの、通常のモニターより遥かに安価なのかもしれない。
ここまでのまとめ
ここまでの見た限りの考察をまとめると、
- なかなか見ない透過ディスプレイ自体のインパクトが大きい
- 通常ディスプレイとは違った映像効果を狙える
- 通常ディスプレイより安価と推察される
と言ったように
珍しくて近未来的でおしゃれな上安価
というメリットがかなり大きい設備に感じる。
調べてみた
ここまでは見て感じたことからの考察だったが、
ちゃんと調べてみた。
正式名称
なんと既にあった。(しかも5年以上前からある…)
https://yamato-signage.com/transmissive-led-vision-features-benefits-and-effective-use/
透過LEDビジョンまたはシースルーLEDディスプレイと呼ばれるらしい。
これとか
https://www.cima-net.co.jp/sp-contents/14954
これとか
https://www.nisshintoaiwao.co.jp/materials/digital_signage/led.html
これとか
https://seibidou.jp/sledvision/products/sled_transparent/
思った以上に出てくる。
形状の自在さも強みっぽく特殊な形状でも低価格で提供している感じ。
コスト調査
LEDビジョンは以下の企業を参考にしてみる。
https://gloval-stage.com/
250インチ5日レンタルで約90万円
透過LEDビジョンは以下の企業を参考にしてみる。
https://www.cima-net.co.jp/sp-contents/14954
1パネル1000*500mm 5日レンタルで約6.6万円
これを2000*6000mmに換算すると約160万円(計算合ってるか?)
もちろん企業や要件によるため単純比較にはならないが、
コストは下がると思ったら2倍くらい高くなるみたい。
制御方法調査
会場で見たVX16sは透過関係なく、LEDビジョンのビデオコントローラとして採用されているみたい。
https://www.cima-net.co.jp/rental/led-display/ledcontroller/15163
https://www.arkbell.co.jp/equipment/vx16s/
概念的にはLEDビジョンと変わらないことを考えると、
透過LEDビジョンもHDMIと考えるのが妥当。
よっぽど特殊な形状以外はHDMIなんじゃないかなぁ。
(前使ったことある大型LEDビジョンがHDMIだったことを根拠にしてるけど、本当のところは謎)
その他用途
ちらっと書いたが、LEDビジョンと比べ形状のカスタマイズ性が高く、
オーダーを出せる企業もちらほらある。
特殊な形状に対応しやすいのはかなり長所な気がする。
また単純な映像表示とは別で、装飾としての用途にも使える。
少し違うが、お台場の階段とかこんな感じのLEDがあった記憶がある。

調べた感想まとめ
思ったより前から使われてたし、思い返せば色んな所で見かける一般的な技術だった。
思っていたよりコストが高いため
展示会等でも一定以上の規模を超えないと採用率が低下するのかもしれない。
初見ではArtnetや複雑な制御方法かと思っていたが、
純粋にLEDビジョンのピッチ広めverと考えるとHDMIに落ち着いた。
ここは作業コスト削減の意図もありそうだけど、
複雑な形状だとどうするんだろうって疑問は残る。
なんだこれは?!と思って調べてみて実は一般的だった、という結果だったが、
こうして身近な疑問に興味を持ち調べるのは楽しく、知見も広がり良い収穫だった。
備考
映像関係の人ではなく興味があって調べてるので、
実際の現場とは乖離がある可能性あります。


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